自分を変えようと思わなくてもいい
- 三木崇稔(みき たかとし)
- 2018年12月20日
- 読了時間: 4分
皆さん、こんにちは。
デーム・コーチングオフィスの三木崇稔(みき たかとし)です。
今でこそ、人と対話し、人と関わる仕事をしていますが、かつて僕はかなりの人見知りであり、それこそ人嫌いでした。
たとえば、スーパーなどで買い物をしていると、前から知り合いが来ているのに気がついたら、見つからないように隠れたり、学校で挨拶したくないから人目を忍んでこっそり教室に入ったりなど露骨に人を避けるようなことを日常的に行っていました。
そんなことをしていた僕ですが、変なもので周りに友達のいない孤立状態になることまたは孤立していると他人から見られることはとても恐れていて、こっそりとどこかのグループに入ったり、どうしても孤立状態になってしまう場合は、人目のつかない所に逃げたりしていたのです。

当然、そんな生活を送っていると、少なからずストレスを感じるものです。
ストレスを抱えた僕のストレス発散方法、それはゲームでした。ゲームであれば、一人で行うことができ、自分の思うようになる。僕は夢中になりました。
当時、僕が一番よくプレイしていたゲームが「実況パワフルプロ野球」という野球ゲームで、そのゲームの中の「サクセス」というプロ野球選手を育成するモードをひたすら遊んでいました。
こんな感じで、僕の学生時代はゲーム三昧です。貴重な僕の青春時代は、すべて画面の中にあったのです。
ただ、ゲームで助けられたこともあります。
それは、ゲームを通じて友達が何人かできたことです。おかげで、僕は学校で孤立するということはありませんでした。

しかし、社会人になって、このような青春時代は僕にとって大きな不利となります。
学生時代に成し遂げたこと?いくつかのゲームをクリアしただけ!
学生時代の思い出?ゲームの思い出しかない!
就職活動の時、自分の強みを言うことがまったく思い付かなかったのです。その上、人と話すのが苦手だったので、その事実を上手いように言い換える話術もない。挙句の果てに、僕が受けてきた会社の志望理由がただ給料が良かったからというもの。僕は案の定、面接に落ち続けることになります。
僕が就職活動をしていた当時、リーマンショックの影響からか、就職氷河期の時代でした。もしかしたら、その影響もあったかもしれませんが、おそらくは僕個人に問題があったのだと思います。そのため、この時期から僕は再びもっと人当たりが良くならないといけないと感じるようになりました。

その時から僕はこんなことを考えるようになりました。
「人付き合いが苦手だと感じている人がどうすれば人付き合いに自信を持つことができるのか?」という問いを。
僕は今日までずっと考えてきた、いや今も考えており、より良い答えを探しています。ただ現在で僕は一つ、この問いに答えを出しています。
その答えとは、自分なりの人付き合い方法を見つけるということです。
世間一般的に、人付き合いが上手である人はどんな人かというと、友だちがたくさんいて、初対面の人ともすんなり仲良くでき、とても外向的な人を思い浮かべるのではないでしょうか?人付き合いが上手になるためには、どんな人とも仲良くなれる必要があると。
ただ、内向的な性格の人にとって、外向的な人のように振舞うことに、とても強い抵抗感を覚えるものです。僕自身、かなり内向的な性格で、世間一般的な外向的人間には今でもなれそうにありません。
けれど、ある時から無理に外向的になる必要はないと思えるようになったのです。そのきっかけの一つにスーザン・ケインさんの「静かなる力 内向型の人が自分らしく生きるための本」という本を読んでからです。その本の一説にこんな一番がありました。
「内向型には内向型の人との付き合い方がある」
ケインさんによると、内向型の人も決して人と付き合うのが苦手であったり、嫌いというわけではないそうです。ただ、少人数の親しい人たちとゆったりと静かに付き合うのが好きで、外向型の人のように、人がたくさん集まり、騒いだり、熱くなったりなどの慌ただしい人付き合いを好まないだけということを著書に書いてありました。
その本を読んで、僕はかなり気が楽になったように思います。無理にテンションを上げたり、変に話の中にユーモアを混ぜたりなどしなくてもいいんだと思えるようになりました。
もちろん、相手に好かれるように接することはとても大切です。ただその前に、自分に嘘をつかず、無理になく人と接することができること、これが人付き合いの基本ではないかと感じています。
僕は自信とは大丈夫だと思えることだと考えています。
今の自分でもいいんだ、大丈夫なんだ、自分を変えなくてもいいんだ。初めのうちは、その根拠のない自信でいいのだと思います。
そうすれば、「変わらなければならない」という切羽詰まった自己変革から、「変わりたい」という緩やかで前向きな自己変革な気持ちを持つことができる瞬間が訪れます。
焦らないでいい、まずは自分自身と仲良くなれればいいと僕は思います。

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