大人への階段
- 三木崇稔(みき たかとし)
- 2019年1月19日
- 読了時間: 2分
皆さん、こんにちは!
平成最後の成人式も全国的に天候に恵まれ、今年もたくさんの若者が大人の第一歩を踏み出しました。
大人になるとはどういうことなのか?
その答えは、人によってさまざまではないでしょうか?
僕が尊敬する心理学者のアルフレッドアドラーは、大人になること、言い換えれば自立について次のように考えています。
「“ひとり”の幸せではなく、“ふたり”の幸せを考えられるようになること」
元々どんな人もはじめは自分の幸せだけを考えて生きています。それに、現在の学校教育においても、家族以外の第三者と協力し、一つの幸せを目指す教育は行っておらず、自己実現や自己成長を促すような自分の幸せを目指す教育が中心に行われています。
それ以上に、そもそも自分以外の他者と同じ幸せを共有し、共に目指す行為はそう簡単に成しえられない、高度な行為なのです。
皆さんは利益相反という言葉をご存知でしょうか?
文字通り、利害関係者同士が求める目的や利益を達成しようとすると、どちらかが不利な状況に置かれることになるという意味です。経済学部出身の僕は大学の講義や教材で幾度となく、この言葉を目にしてきました。
ふたりの幸せを目指す場合においても、この利益相反な関係は常に付きまとってくるからこそ、ふたりの幸せを目指すことは困難となります。
そしてこのように、どちらか一方が不利益を被らなければならない状況に置かれたとき、多くの場合、自分が有利な立場となるよう相手と言い争ったり、仮にどちらか一方に権威が偏っている場合、立場的に弱い人が折れ、泣き寝入りしたりなどのひとりの幸せしか達成することができていないのが現状です。
要するに、ふたりの幸せを目指すときは、どちらか一方が譲歩するような形ではダメで、お互いが共に満足できるような答えを見つけられるようにならないと本当の意味で、ふたりの幸せを達成することができないのです。今流行りの言葉で言えば、Win-Winの関係でなければならないのです。
では、Win-Winの関係を目指すためにはどうすればいいのか?
シンプルに言えば、聴く姿勢や聴く能力を養うことです。
言い換えれば、人の話をきちんと聴けるようになること。これが大人になる第一歩であると僕は感じています。
では、人の話を聴くということはどういうことなのか?
それは、自分の意見はまず置いておいて、相手の考えや主張をまずは聞き入れることです。
まずは相手の話を一度は認めてあげること、それが人の話を聴くということなのです。そして、相手の話を認めた上で、こちらの考えや主張を行うこと、これが大人の会話だと僕は思います。

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