初動の重み
- 三木崇稔(みき たかとし)
- 2019年1月11日
- 読了時間: 4分
皆さん、こんにちは!
デームコーチングオフィスの三木崇稔(みき たかとし)です。
お正月ムードも終わり、長期休暇を終え、いよいよ本格始動をされた方も多いことだと思います。皆さんの中にもご経験がある方がいらっしゃることでしょうが、長期休暇明けの朝、仕事の準備をしていると、いつも以上に気怠さを感じるものだと思います。
このように、どんなことにも言えることですが、何事も動き始めが一番エネルギーを必要とするものです。
たとえば、知らない人に話しかける時、僕の場合とても勇気というエネルギーが必要でした。もっとも、世の中には人に声を掛けるのに何の抵抗も感じない人もいるとは思いますが、それでもどんな人も見ず知らずの人に声を掛けるのに、勇気が必要だと感じます。
では、そんな動き始めのエネルギーを生み出すためにどんなことをすればいいのか?
一つだけ確かに言えることは、一度にそのエネルギーを生み出そうとしないことです。
どういうことかというと、先ほど挙げた初対面の人に話しかける場面を例に説明します。
僕にとって、初対面の人に話しかけることに三段階がありました。まず第一段階として、その人に会釈をすること。第二段階に言葉を用いて挨拶をすること。そして第三段階にその人と会話をすることです。
僕はかつて、初対面の人に話しかけることは、これら三段階すべてをこなさないといけないように感じていました。なぜなら、コミュニケーション能力が高いと評される人は、この三段階をいともたやすくやってのけているように感じていたからです。
けれど、僕は第一段階で既にかなりの抵抗を感じて、第一段階の会釈さえ十分に行えなかったのです。そんな有様に、当時の僕は強い自己嫌悪感を覚えました。そんな経験を繰り返すうちに、自分はコミュニケーションが得意ではない人間だという自己評価をガチガチに固めていってしまったのです。
話を戻すと、人は一度に自分にとって大きなエネルギーを生み出そうとすると、そのエネルギーが生まれるまでに、挫折し、そのエネルギーを生み出すこと自体を諦めてしまうものなのです。たとえば、山登りをしようとして、そのスタート地点に直角に近い3メートルの壁が立ちはだかっていたら、多くの人はその山を登ることを諦めると思います。
だったらどうすればいいのか?ただ単純に回り道をしたり、その壁の前に登り易い階段を用意したりすればいいだけです。初対面の人に話しかける時は、第一段階だけを行えることを目標としたり、第一段階を更に分け、他人に会釈が出来るように笑顔の練習を行ったりすればいいのです。
もっと簡単に言えば、今自分にできることだけに集中して取り組むこと、それが大切だと僕は思います。
その結果、ほとんど何もできなかったと感じることもあるかもしれません。
そんな自分が嫌になることもあるかもしれません。
ただ、数字にするとたった0.1、もしくは0.01%のような変化でも、前に進めたことには変わりありません。たとえどんな小さな変化でも、塵も積もれば山となるように、いつか大きな変化として、現れてくるものだと僕は思います。
今何か成し遂げたいことがあるとき、踏み出すことができない第一歩の前にいるとき、自分が理想とするスタートを切ることができなくてもいいのです。
それでも、何か自分にとって日常とは違う変化を起こしてみる。そうすれば、それが呼び水となって、新しい何かを始められる勇気が芽生えるかもしれません。
今この瞬間からできそうなことは何だろう?
そのことだけを考えて、まずはできそうなことをしてみる。もし、できなかったとしても、それはそれで仕方がないと割り切る。
大切なのは、その歩みを止めないことです。ただ、時には立ち止まって、歩んできた道を振り返ってもいいでしょう。けれど、過去を振り返るときは、できなかった自分を責めるのではなく、ここまで歩んでこられた自分を認めることが大切です。

人は誰しも、行動を起こせる力を持っています。そして、どんな人も何かに対して行動を起こせた過去があるはずです。そのことに気づき、後はその行動を継続することができれば、人に叶えられないものなど一つもないと僕は思います。
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