出来ることからコツコツと
- 三木崇稔(みき たかとし)
- 2019年4月23日
- 読了時間: 4分
皆さん、こんにちは!
デームコーチングオフィスの三木崇稔(みき たかとし)です。
四月も終盤となり、新入社員さんや新入生さんたちも新生活に慣れ始めてきた頃でしょうか?
四月は出会いの季節です。新しい出会いは、新たな人間関係の始まりでもあります。
新しい出会いによって、新しい人脈ができ、その人たちとも交流により、見聞を広めることもあれば、新しい環境に馴染めず、思い悩んでしまうこともある。そんな複雑な時期でもあります。
僕自身、元々社交的ではなかったので、人間関係が変わるこの時期はあまり好きではありませんでした。周りがどんどん新たな親交を築いている中、自分一人がポツンと取り残されているような経験も一度や二度ではありません。
なので、当時はこう感じていました。
「自分もあんな風に見知らぬ人とわいわい楽しく会話をすることが出来ればいいのに。」
ただとある本と出会ってからは、その考えが変わりました。
それは、スーザン・ケイン氏の著書「静かな力」です。
人には外向性と内向性とがあって、人によってその度合いが違い、ある人は外向性がかなり強かったり、またある人は内向性がかなり強かったり、そのまた別の人は外向性と内向性の度合いが半々だったりとほんとうに人それぞれ異なるそうです。
そして、特に印象的だったのは内向性の長所についてで、著者のケイン氏も内向性が強い人間であると自己評価をしていました。
日本のみならずアメリカなどの諸外国でも、元来良いとされてきたのは社交的であること。つまり、外向性が強い人たちが常に評価され、内向的であることは悪い事とされてきました。
そのことはとある童謡でも表されています。
皆さんは「友達100人できるかな?」というフレーズを聞いたことはあるでしょうか?
このフレーズは、まどみちお氏作詞、山本直純作曲の「一年生になったら」という童謡に出てくるものです。この童謡では繰り返し「友達100人できるかな」と歌われ、100人でおにぎりを食べたり、100人で出かけたり、100人で笑い合ったりしたいと暗に友達を100人になるほどいっぱい作りましょうねと訴えかけてくる内容となっています。
勿論、友だちが沢山出来ることは悪い事ではなく、むしろとても素晴らしいことと言えるでしょう。しかし、内向性が強い人にとって、無理に友達をたくさん作ろうと思うことはかえってかなりのストレスになる、そうケイン氏は主張します。
なぜなら、内向性が強い人は数よりも質をとるからで、たくさんの人といるよりも本当に気心が知れた人たちと2~3人程度の少人数で静かに過ごすことを好むからです。
内向性が強い人は、刺激に敏感で、騒がしい所や人が多い所などの接触や聴覚などの感覚が強く刺激される所は刺激が強すぎてぐったりしてしまうそうなのです。なので、内向性が強い人は刺激が少ない所、静かな場所をかなり好む傾向があります。
また、言い換えれば刺激に敏感ということは、他人の感情にもかなり敏感で、共感性が高い傾向があります。だからこそ、内向性が強い人は他人の悪意や嫌悪などの負の感情を感じ、人間関係に恐怖を覚えてしまいがちですが、本来は人の機微を察知し、濃い人間関係を築くことができる強みがあり、決して人付き合いが下手という訳ではありません。
そう前は内向的だと言われると、その人は人付き合いが好きではないと思われていたそうですが、内向的であっても人と付き合うのが嫌いという訳ではありません。ただ大勢と付き合うことがあまり好きではないだけなのです。
こういった内容を「静かな力」から知り、僕はかなりの勇気と自信を得ることができました。そして、僕は次のように思えるようになったのです。
無理に複数人と付き合う必要はない、1人や2人などの少人数でも気のおく必要がない親しい人がいればいいのだと。困ったときに頼れる人がいればいいのだと。
そう無理に社交的であるように振舞う必要はない、そう思えるようになり、僕はかなり楽になりました。確かに自分の周りにはドンドン人の輪を広げ、人脈を作っている人がいる、けれど無理にその人のようになる必要はありません。
自分ができることを精一杯やり続けていれば、いつかそんな自分を認めてくれる存在と巡り会える、そう僕は思っています。
背伸びをする必要はありません。
小さなことからでもコツコツと行っていく。特に新人である時は何かとミスも多く、出来ないことが多いように感じてしまうものです。
そんな中でもきちんと出来ていることが必ずあります。
出来ていない所を改めて、出来るようにすることは勿論大切ですが、出来ない自分を責め、自分を追い込むのは間違いです。
どんな人も出来ないことをいきなり出来るようにすることは出来ません。どんな人も自分が出来ることを少しずつ増やしていくしか道はありません。
繰り返しになりますが、もし今思い悩んでいるならば是非今は少しずつ自分の出来る領域を増やしていってみてくださいね。

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